2014/09/05
PostGIS > SVG のパスを取り込む(3)
PostGIS > SVG のパスを取り込む(3)
2014/09/02 からの作業に、今日で一区切り。geeko の SVG ファイル ↓ の path 要素を抽出して PostGIS のジオメトリに変換する件。ベジェ曲線を細かい直線で近似して一応形になった。実行環境は 2014/08/13 の実機を参照。本当はすぐ openSUSE に移したかったが R が未インストールで可視化できず、後日に。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:OpenSUSE_official-logo-color.svg
↓ 2014/09/02、まず、点を直線で結ぶことから始めた。
↓ 昨日、全てのパスを閉じたボリゴンにして色を付ける所までいった。
↓ そして今日、ベジェ曲線を近似して一応の形になった。
描画に使っている R のグラフィックウィンドウは本来グラフ用で、アンチエイリアスなど綺麗に見せる機能がないのでどうしてもギザギザになる。拡大するとこんな感じ。↓
以下、今日の作業に使った三つのコード。まず3次ベジェ曲線を細かい直線で近似するストアド関数(一昨日作ったもの)の戻り値を、点の軌跡の配列に変えた。一昨日はストアド内部で一つの線ジオメトリにしていたが、点の配列の方が SVG の path 全体の処理に統合しやすいため。↓ が定義文。使用例も合わせて示す。
次に path 要素の d 属性を解釈してジオメトリ化するストアド関数を作った。元は昨日修正したストアド(d 属性を一つずつの線に分けてコマンド種別と座標を返す)。この中から、上のベジェ曲線用ストアドを呼ぶ。↓ が定義文。とりあえず geeko にあるコマンドだけを対象とし、2次ベジェ曲線(コマンド Q と T)には非対応。今後必要があれば追加する。
↑ 今回の SVG にある14個の path 要素の d 属性をストアドに渡した様子。第二引数の 0.5 はベジェ曲線の細かさのパラメータ。結果のジオメトリが geeko と openSUSE のロゴになる。中マドのあるポリゴン作成には ST_BuildArea 関数を使っている。
■ PostGIS 2.1 Manual : ST_BuildArea
http://postgis.net/docs/manual-2.1/ST_BuildArea.html
上で得たジオメトリを、いつも通り R で可視化して確認する。ただし SVG と PostGIS の縦座標の向きが逆なので、縦の鏡像反転が必要。昨日までは原始的に全ての Y 座標に -1 を掛けていたが、今日は ↓ の二関数を使う。ST_FlipCoordinates は PostGIS 2.0 で追加された関数で、X と Y を入れ替える。これに時計回り90°回転を足すと、縦の鏡像反転と同じ結果になる。回転を行う ST_Rotate は反時計回りのラジアンを引数に取るので、-pi() / 2 を渡す。
■ PostGIS 2.1 Manual : ST_FlipCoordinates, ST_Rotate
http://postgis.net/docs/manual-2.1/ST_FlipCoordinates.html
http://postgis.net/docs/manual-2.1/ST_Rotate.html
↓ いつもと同じ三パッケージ(RPostgreSQL、rgeos、maptools)を使って geeko をグラフィックウィンドウに出すコード。下から3・4行目のコメント部分は、冒頭に紹介した白背景のもの。今度は背景に色を付け、中マドがきちんと反映されているか確認した。
元の path 要素には白色のが二つあるが、ポリゴンの中マドがきちんと反映できれば不要(というか邪魔)なので WHERE 句で省いた。ジオメトリをテーブルに保存すれば、いつでも geeko が呼び出せる。それなりの形ができて良かった。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:OpenSUSE_official-logo-color.svg
↓ 2014/09/02、まず、点を直線で結ぶことから始めた。
↓ 昨日、全てのパスを閉じたボリゴンにして色を付ける所までいった。
↓ そして今日、ベジェ曲線を近似して一応の形になった。
描画に使っている R のグラフィックウィンドウは本来グラフ用で、アンチエイリアスなど綺麗に見せる機能がないのでどうしてもギザギザになる。拡大するとこんな感じ。↓
以下、今日の作業に使った三つのコード。まず3次ベジェ曲線を細かい直線で近似するストアド関数(一昨日作ったもの)の戻り値を、点の軌跡の配列に変えた。一昨日はストアド内部で一つの線ジオメトリにしていたが、点の配列の方が SVG の path 全体の処理に統合しやすいため。↓ が定義文。使用例も合わせて示す。
CREATE OR REPLACE FUNCTION "201409"."05_bezier3_points"(float[], float)
RETURNS geometry[] LANGUAGE sql IMMUTABLE AS $BODY$
-- "201409"."03_bezier3" の返し方を点の配列に変更
-- 第一引数(配列, 8要素)起点XY, 起点の制御点XY, 終点の制御点XY, 終点XY
-- 第二引数 細かさパラメータ(最小区間長に近い数値。小さいほど精度大)
WITH a (lab, geom) AS (
VALUES ('p1', ST_Point($1[1], $1[2])) -- 起点XY
, ('c1', ST_Point($1[3], $1[4]))-- 起点の制御点XY
, ('c2', ST_Point($1[5], $1[6]))-- 終点の制御点XY
, ('p2', ST_Point($1[7], $1[8]))-- 終点XY
), c (lab, geom) AS (
-- 三つの直線を作成
SELECT text 'm1', ST_MakeLine(geom) FROM a WHERE lab IN ('p1', 'c1')
UNION ALL
SELECT 'm2', ST_MakeLine(geom) FROM a WHERE lab IN('c1', 'c2')
UNION ALL
SELECT 'm3', ST_MakeLine(geom) FROM a WHERE lab IN('c2', 'p2')
), d AS (
SELECT max(ST_Length(geom)) FROM c
), e AS (
-- 区間の分割位置を準備
SELECT generate_series(0, floor(max / $2) :: int) * $2 / max loc
FROM d
UNION SELECT 1
), f AS (
-- 経過点を作成
SELECT lab, loc, ST_LineInterpolatePoint(geom, loc) geom FROM c, e
), g AS (
SELECT loc, ST_LineInterpolatePoint(ST_MakeLine(geom), loc) geom
FROM f WHERE lab <> 'm3' GROUP BY loc
UNION ALL
SELECT loc, ST_LineInterpolatePoint(ST_MakeLine(geom), loc)
FROM f WHERE lab <> 'm1' GROUP BY loc
), h AS (
SELECT loc, ST_LineInterpolatePoint(ST_MakeLine(geom), loc) geom
FROM g GROUP BY loc ORDER BY loc
)
SELECT array_agg(geom) FROM h ;
$BODY$ ;
-- Ex
SELECT "201409"."05_bezier3_points"(
ARRAY[0, 25, 25, 0, 35, 85, 50, 25], 1) ;
次に path 要素の d 属性を解釈してジオメトリ化するストアド関数を作った。元は昨日修正したストアド(d 属性を一つずつの線に分けてコマンド種別と座標を返す)。この中から、上のベジェ曲線用ストアドを呼ぶ。↓ が定義文。とりあえず geeko にあるコマンドだけを対象とし、2次ベジェ曲線(コマンド Q と T)には非対応。今後必要があれば追加する。
CREATE OR REPLACE FUNCTION "201409"."05_svgpath2geom"(text, float DEFAULT 0)
RETURNS geometry LANGUAGE plpgsql IMMUTABLE AS $BODY$
-- "201409"."05_svg_pathcmd_rev" を直接ジオメトリ返すよう修正
-- 第二引数はベジェ曲線を近似する時の細かさパラメータ
-- 第二引数デフォルトなら全て直線と見なす
-- QqTt コマンドは対象外。今後必要なら追加
-- 3次ベジェ処理に呼び出す関数
-- SELECT "201409"."05_bezier3_points"(ARRAY[0, 25, 25, 0, 35, 85, 50, 25], 1) ;
DECLARE str text ;
cmd text ;
cmd_prev text ; -- S コマンド用
ar1 numeric[] ;
ar2 numeric[] ;
ar3 numeric[] ; -- S コマンド用
pxy numeric[] ;
poi geometry(Point)[] ; -- ジオメトリ種別指定は無視されるが明示的に書いた
bzp geometry(Point)[] ; -- ベジェ用
gms geometry[] ; -- 出力用
cnt int = 0 ; -- path 要素ごとに M コマンドを数える
BEGIN
FOR str IN SELECT (regexp_matches($1, '(\w[\d\-\.\,]*)', 'g'))[1] LOOP
cmd = left(str, 1) ;
ar1 = string_to_array(regexp_replace(right(str, -1)
, '(\d)-', '\1,-', 'g'), ',') ;
IF cmd ~* 'M' THEN
-- 前が閉じない線の場合
IF poi IS NOT NULL THEN gms = gms || ST_MakeLine(poi) ; END IF ;
cnt = cnt + 1 ;
pxy = CASE WHEN cmd = 'M' THEN ar1
ELSE ARRAY[pxy[1] + ar1[1], pxy[2] + ar1[2]] END ;
poi = ARRAY[ST_Point(pxy[1], pxy[2])] ;
ELSEIF cmd ~* 'Z' THEN
-- きちんと閉じる
IF NOT poi[1] = poi[array_length(poi, 1)] THEN
poi = poi || poi[1] ;
END IF ;
-- ここでは中マド考慮せずポリゴン化して配列に足す
-- 中マド処理は最後の出力時に行う
gms = gms || ST_MakePolygon(ST_MakeLine(poi)) ;
-- 点群をクリア
poi = NULL ;
ELSEIF cmd ~* '[HVL]' THEN
pxy = CASE WHEN cmd = 'H' THEN ARRAY[ar1[1], pxy[2]]
WHEN cmd = 'h' THEN ARRAY[pxy[1] + ar1[1], pxy[2]]
WHEN cmd = 'V' THEN ARRAY[pxy[1], ar1[1]]
WHEN cmd = 'v' THEN ARRAY[pxy[1], pxy[2] + ar1[1]]
WHEN cmd = 'L' THEN ar1
ELSE ARRAY[pxy[1] + ar1[1], pxy[2] + ar1[2]] END ;
poi = poi || ST_Point(pxy[1], pxy[2]) ;
ELSEIF cmd ~* 'S' THEN
IF cmd_prev ~* '[CS]' THEN
-- 起点の制御点が直前ベジェの終点の制御点の対向
ar3 = ARRAY[pxy[1] + (pxy[1] - ar2[5])
, pxy[2] + (pxy[2] - ar2[6])] ;
ar2 = pxy || ar3 || CASE WHEN cmd = 'S' THEN ar1
ELSE ARRAY[pxy[1] + ar1[1]
, pxy[2] + ar1[2]
, pxy[1] + ar1[3]
, pxy[2] + ar1[4]] END ;
ELSE
-- 制御点二つが同じ位置
ar2 = pxy || CASE WHEN cmd = 'S' THEN ar1[1:2] || ar1
ELSE ARRAY[pxy[1] + ar1[1]
, pxy[2] + ar1[2]
, pxy[1] + ar1[1]
, pxy[2] + ar1[2]
, pxy[1] + ar1[3]
, pxy[2] + ar1[4]] END ;
END IF ;
ELSEIF cmd ~* 'C' THEN
ar2 = pxy || CASE WHEN cmd = 'C' THEN ar1
ELSE ARRAY[pxy[1] + ar1[1]
, pxy[2] + ar1[2]
, pxy[1] + ar1[3]
, pxy[2] + ar1[4]
, pxy[1] + ar1[5]
, pxy[2] + ar1[6]] END ;
END IF ;
cmd_prev = cmd ;
-- ベジェ共通処理
IF cmd ~* '[CS]' THEN
pxy = ar2[7:8] ;
IF $2 = 0 THEN
-- 直線に簡略化
poi = poi || ST_Point(pxy[1], pxy[2]) ;
ELSE
bzp = "201409"."05_bezier3_points"(ar2, $2) ;
poi = poi || bzp[2:array_length(bzp, 1)] ;
-- 先頭の点が前と重複するので省く
END IF ;
END IF ;
-- RAISE INFO '%, %, %', cnt, pxy, poi ;
END LOOP ;
-- 最後が閉じない線の処理
IF poi IS NOT NULL THEN gms = gms || ST_MakeLine(poi) ; END IF ;
IF array_length(gms, 1) = 1 THEN
-- ジオメトリ一つの場合
RETURN gms[1] ;
ELSEIF NOT EXISTS (
SELECT * FROM unnest(gms) geom
WHERE ST_GeometryType(geom) <> 'ST_Polygon') THEN
-- ジオメトリ複数で全てポリゴンなら ST_BuildArea で中マドあるポリゴン化
RETURN ST_BuildArea(ST_Collect(gms)) ;
ELSE
-- それ以外はとりあえず ST_Collect して返す
RETURN ST_Collect(gms) ;
END IF ;
END ;
$BODY$ ;
-- Ex
SELECT *, "201409"."05_svgpath2geom"(d, 0.5)
FROM "201409"."02_svg_path" ;
↑ 今回の SVG にある14個の path 要素の d 属性をストアドに渡した様子。第二引数の 0.5 はベジェ曲線の細かさのパラメータ。結果のジオメトリが geeko と openSUSE のロゴになる。中マドのあるポリゴン作成には ST_BuildArea 関数を使っている。
■ PostGIS 2.1 Manual : ST_BuildArea
http://postgis.net/docs/manual-2.1/ST_BuildArea.html
上で得たジオメトリを、いつも通り R で可視化して確認する。ただし SVG と PostGIS の縦座標の向きが逆なので、縦の鏡像反転が必要。昨日までは原始的に全ての Y 座標に -1 を掛けていたが、今日は ↓ の二関数を使う。ST_FlipCoordinates は PostGIS 2.0 で追加された関数で、X と Y を入れ替える。これに時計回り90°回転を足すと、縦の鏡像反転と同じ結果になる。回転を行う ST_Rotate は反時計回りのラジアンを引数に取るので、-pi() / 2 を渡す。
■ PostGIS 2.1 Manual : ST_FlipCoordinates, ST_Rotate
http://postgis.net/docs/manual-2.1/ST_FlipCoordinates.html
http://postgis.net/docs/manual-2.1/ST_Rotate.html
↓ いつもと同じ三パッケージ(RPostgreSQL、rgeos、maptools)を使って geeko をグラフィックウィンドウに出すコード。下から3・4行目のコメント部分は、冒頭に紹介した白背景のもの。今度は背景に色を付け、中マドがきちんと反映されているか確認した。
library(RPostgreSQL)
library(maptools)
library(rgeos)
con = dbConnect(PostgreSQL(), dbname='xxx', port=xxx
, user='xxx', password='xxx')
df1 = dbGetQuery(con, '
SELECT fill, ST_AsText(
ST_Rotate(ST_FlipCoordinates(
ST_Collect("201409"."05_svgpath2geom"(d, 0.5))), -pi()/2))
-- Mirror Y
FROM "201409"."02_svg_path"
WHERE fill <> $$#FFFFFF$$
GROUP BY fill
')
invisible(dbDisconnect(con))
if(is.null(dev.list())) windows(height=(340-46)/96, width=(444-8)/96)
# par(bg=NA, plt=rep(c(1,99)/100, 2), xaxs='i', yaxs='i')
# plot(readWKT(df1[1,2]), col=df1[1,1])
par(bg='darkolivegreen1', plt=rep(c(1,99)/100, 2), xaxs='i', yaxs='i')
plot(readWKT(df1[1,2]), border='aquamarine4', col='aquamarine3')
元の path 要素には白色のが二つあるが、ポリゴンの中マドがきちんと反映できれば不要(というか邪魔)なので WHERE 句で省いた。ジオメトリをテーブルに保存すれば、いつでも geeko が呼び出せる。それなりの形ができて良かった。